実行委員会 委員長 三菱ロジスネクスト株式会社
執行役員業務統括本部長 菅原 弘

原材料・燃料価格の高騰が継続する中、我が国の経済基盤、そして私たちの生活は、依然として大きな影響を受け続けています。サプライチェーンの根幹を成す物流も例外ではなく、環境の変化に伴い、解決すべき課題は山積しています。このまま有効な対策を講じなければ、輸送力の低下は避けられず、「モノが運べなくなる」という物流クライシスは、もはや絵空事ではありません。国の試算によると、2030年には輸送能力が大幅に減少すると予測されており、この構造的な危機は日本経済全体が直面する最も深刻な課題の一つです。
2024年4月には改正物流効率化法が施行され、荷主および物流事業者には「荷待ち・荷役等時間の短縮」や「積載効率の向上」などの努力義務が課されました。さらに、一定規模以上の荷主・物流事業者は「特定事業者」として指定され、中長期的な計画の策定、物流統括管理者の選任、定期報告などが義務化されています。
こうした制度的対応に加えて、真の変革を実現するには、ハード(設備・機器)とソフト(人・組織)の両輪による取り組みが不可欠です。物流現場の自動化・省人化を支える技術やシステムは、持続可能な物流を実現するための基盤であり、その導入・活用は喫緊の課題です。一方で、それを最大限に活かすためには、現場を支える「人」への投資と、経営層主導による働き方や商慣行の抜本的な改革が求められます。
現場で働く人々のウェルビーイングを確保し、多様な人材が能力を発揮できる魅力的な環境を創出することは、物流の競争力を高める上でも不可欠です。特に2026年度は、特定荷主に対して物流効率化の具体的な義務が課されるなど、企業経営に直結する重要な法改正が本格施行される、まさにターニングポイントとなります。物流部門は、もはや物流業務だけを担当するコスト部門ではなく、企業の社会的責任(CSR)を担い、競争力を左右する経営戦略に多大な影響を及ぼす存在となりつつあります。
このような認識のもと、喫緊の課題に対する具体的な方策を提示し、変革への確かな一歩を踏み出す場として、「知恵と技術で、物流の未来を切り拓く。」をテーマに掲げ、アジア最大級の物流総合展示会「国際物流総合展2026 Logis-Tech Tokyo 2026」を開催致します。
本展は、2026年9月8日(火)から11日(金)までの4日間、東京ビッグサイトにて開催されます。第17回目の開催となる今回は、最新の自動化・省人化技術、情報技術、物流システム(ハード・ソフト)を一堂に集結させ、国内外の関係者が一堂に会する貴重な機会となります。企業や業態の垣根を越えた連携・協調を促進し、現場のオペレーションから経営戦略に至るまで、具体的なソリューションと知見を得られる唯一無二の国際展示会です。
私たちは本展示会を、山積する課題の解決を推進し、物流の未来を担う「人」に光を当てる構造改革のエンジンと位置付けています。産業界が一丸となって持続可能な発展への歩みを確かなものとするため、関係各位の積極的なご出展、ご参加を心よりお願い申し上げます。
